2013年03月24日
「ブラームスはお好き」はお好き?
ブ
ラ
|
ム
ス
は
別
に
・
・
・
語弊があるな。
音楽家の”ブラームス”が嫌いってわけじゃなくて
(まぁ、クラシックのブラームスもあんまり興味ないけど)
前回「悲しみよ こんにちは」を初めて読んで受けた
サガンの衝撃と興奮冷めやらぬまま次に読んだ作品
「ブラームスはお好き」
が、思いのほか(※個人的に)イマイチだったから・・・。
(※あくまで個人的な見解ですが)
期待しすぎたせいもあってか、
前のがあまりに斬新(新鮮?)すぎたというか、
前のは(作品も作家も)その年代(若さ)特有の
心境の複雑さとか、感情の荒っぽさみたいなのが
良い意味で文面・文章・内容にも表れていて、
それが(サガン独特の感性と重なって)かえって
詩的なほどの言語表現の甘美さも相まって
物語のエッセンスになり、スパイスでもあると同時に
主題としても成立させてしまっている印象でした。
・・・しかし、今回のは
作家としても女性としても洗練されすぎたというか、
(もちろん人間的にも内容的にも成長しているので)
書き手も設定も歳がいった分、落ち着いちゃったというか、
まぁ、なんというか、つまり・・・簡単に言うと・・・
”普通”でした・・・。
(普通の煮え切らない恋愛小説?みたいな・・・)
デビューから約5年後、通算4作目にあたる作品で、
今のところ復刻的リニューアル出版の文庫本でコレとアレの
2作品しか刊行されてないのが当初残念だったのですが、
この現状自体が既に評価が暗示されているような気がします・・・。
前ほどの前衛さは無かったものの、一応
ブルジョワ(中流階級)のお洒落なメロドラマ的な雰囲気は同様で
よくサガン作品が映像化されるのもなんとなく頷けるなと。
劇中で主人公に想いを寄せる青年がデートの誘いに
「ブラームスはお好きですか?」
と発した台詞からタイトルに掲げているのは結構スキですがね。
P.S.
こういうのはもう、やめよう・・・。(疲れる・・・)
Posted by abo at 20:21│Comments(0)
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